行政書士 泣ける話


本当にあった行政書士の泣ける話 4

本当にあった行政書士の泣ける話3の続き。

 

遺言書の書き方が分からないと相談に来られたAさんに、遺言書の書き方のアドバイスと添削をしてから半年後、Aさんは天国へ旅立ってしまいました。

 

Aさんのご主人から直接聞くまで、私はまったく分からないままでした。

 

 

「妻は、私に最期のラブレターを遺してくれたんです。」

 

「ラブレターですか?」

 

「はい。遺言書はラブレターだって。
先生が妻に教えてくれたそうですね。
妻の日記に書いてありましたよ。」

 

遺言書はラブレター。
Aさんに私はそのようなアドバイスをしたことを思い出しました。

 

「失礼をいたしました。」

 

「いいえ。
妻からの最期のラブレターのおかげで、
私は絶望的な悲しみから救われたんです。」

 

しばらくAさんの話をした後、気になったことをAさんのご主人に聞いてみました。

 

「気になったのですが、Aさんはご主人のしている結婚指輪を欲しがっていましたが、
ご主人は結婚指輪をされたままですよね?」

 

「ああ、これですか?
これ、私のものじゃなくて、妻のものなんですよ。

 

照れたように、Aさんのご主人が言いました。

 

「私がしてた指輪は、妻の薬指にはめてあげました。
薬指も痩せてしまって、ぶかぶかでしたが妻はそれを望んでいましたから。

 

代わりに妻の指輪は私がもらいました。
妻の意思は確認できないままでしたが、私がそうしたかったんです。

 

妻の指輪は私の指には入らなくて、サイズを直してもらって・・・。
今、こうしてしているんです。」

 

 

「そうだったんですか。」

 

 

「妻は自分が死んだ後、
私の人生を束縛したくなくて結婚指輪を天国へ持って行きたかったのだと思います。

 

でも、私はこれからの残りの人生も、妻と共に生きていきたいのです。
だから、こうして妻の指輪をしているんです。
女々しいですかね?」

 

 

「いいえ。
Aさんは天国でとても喜んでおられると思います。」

 

そう言いながら、私は必至で涙をこらえていました。