行政書士 怖い話


本当にあった行政書士の怖い話(後編)

『ぶっ殺す!殺してやる!殺してやる!』

 

このような内容のメールに返信してから1時間もしないうちに、依頼人さまから電話がありました。

 

「〇〇(依頼人さま)です。すいません!すいません!」

 

「〇〇さんですね?あのメールですが、どういうことでしょうか?」

 

私がたずねると、

 

「本当にすいません。勘弁して下さい、先生。
あれ、送る相手を間違えました。
妻の浮気相手に送ってやろうと思って書いたメールなんです。
先生じゃないんです。送る相手間違えたんです。
酒も飲んでて、酔ってたみたいです。
本当にすいません、許して下さい。」

 

 

「〇〇さん、よく聞いて下さい。
あなたが送ったメールは、誰に送ったとしても脅迫罪になりますよ。
送る相手を間違えたからとか、酔っていたとかは、関係なく犯罪です。
お気持ちは分かりますが、憎いと思っている相手へ送るのは止めて下さいね。」

 

 

「分かりました。本当に、本当に申し訳ありませんでした。」

 

 

「このメール、私は受け取らなかったことにします。
ですから、このような言葉は今後誰に対しても使わないと約束して頂けますか?」

 

 

「はい。します。本当に、申し訳ありませんでした。」

 

依頼人さまはその後、菓子折り持参で直接私の事務所へ謝罪に来てくれました。

 

作成した離婚協議書も依頼人さまにも納得して頂き、この件に関しては終了となったのですがあのメールは本当に怖かったです。

 

人の気持ちが複雑に交差する離婚や相続問題は、時として怒りや憎しみといったマイナスの感情が生まれます。

 

そしてその思いは依頼を受けている行政書士へ向いてしまう場合もあります。このような「怖い話」は序の口かも知れません。

 

 

行政書士は、どんなときでも冷静沈着に行動しなくてはなりません。自分で自分を守らなければならないときだってあるのです。

 

行政書士でやっていくには、それなりの覚悟が必要だということを思い知った経験でもありました。